データから読み解くセンバツ優勝校予想 総合力の広陵、投手力の智辯和歌山、ダークホースは? (2ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 広陵に続くのが、2項目でトップ10入りした大阪桐蔭、智辯和歌山、報徳学園、履正社、沖縄尚学の5校。このなかで順位をつけるなら、複数の好投手を擁する智辯和歌山、大阪桐蔭か。

 智辯和歌山は今大会ナンバーワンの投手数値を誇る。チームとしてのK/BB(3.82)もトップだが、おもに登板する左腕・吉川泰地、右腕・清水風太の2人に限定すると4.67にまで数字が跳ね上がる。

 今大会はK/BBが4を超えたチームが1校もない(昨年は6校)ため、この数字は突出している。OPSで9位に入った打線も昨秋の近畿大会で3試合連続本塁打をマークした中塚遥翔(はると)、高校通算30本塁打を超える青山達史を中心に6試合で7本塁打とパワーがある。

 昨秋の明治神宮大会王者で、センバツ連覇を狙う大阪桐蔭はドラフト1位候補の前田悠伍がどんな投球を見せるか。昨秋はわき腹を痛めた影響からか、制球を乱す試合もあり、K/BBは3.92(102奪三振、26四死球)。ともにドラフト1位指名された天理・達孝太が7.56(68奪三振、9四死球)、市和歌山・小園健太が6.15(80奪三振、13四死球)だったことを考えると物足りない数字に終わった。甲子園で本来の実力を発揮することができるか注目だ。

 打線はOPS.915。いずれも優勝した2018年は1.050、昨年は1.084だったことを考えるとやや小粒だ。それだけに、前田の奮起、さらには前田につづく南恒誠ら二番手以降の投手の踏ん張りが不可欠になる。

 この3校を追うのが、報徳学園と履正社。報徳学園はBB/Kが 12位、OPSが8位、K/BBが6位。プロ注目の強肩捕手・堀柊那(しゅうな)を中心に守りは堅く、12試合で8失策。187センチの大型右腕・盛田智矢も安定している。

 履正社はBB/Kが 13位、OPSが2位、K/BBが9位。チーム打率.401、10試合で9本塁打と破壊力満点の打線に加え、10試合で6失策の堅守を誇る。秋は大阪桐蔭戦、報徳学園戦で結果を残せなかったエース左腕・増田壮、秋はケガで出遅れた右腕・今仲巧ら投手陣の出来がカギを握りそうだ。

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