「遊撃手に逸材が多かった」。名将・前田三夫が明治神宮大会で将来性を感じた逸材高校生野手11人 (3ページ目)

  • 藤井利香●取材・文 text by Fujii Rika
  • 大友良行●撮影 photo by Ohtomo Yoshiyuki

【徳丸快晴(右翼手/大阪桐蔭・1年)】

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 大阪桐蔭の徳丸快晴は、がっちりした体格で、負けん気の強そうな様子が何よりいい。バットコントロールがよくスイングスピードも速く、左右に打ち分けられる器用さがある。

 両手投げであるうえ、投手も含めどのポジションでも守れるというから驚きだ。外野手としてはいずれセンターを守れるようになるだろう。

【田上夏衣(中堅手/広陵・2年)】

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 東海大菅生戦では、ストレートをはじき返してライトへ二塁打。5打席目ではセンターへの二塁打も放った広陵の田上夏衣(かい)。ボールを呼び込んでスパーンとはじき返すバッティングで、このような選手が1番にいると否が応でもチームが勢いづく。フォームも非常にいいと感じた。

【知花慎之助(中堅手/沖縄尚学・2年)】

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 1回戦の仙台育英戦では、先頭打者で初球を打ち、左中間へ鮮やかな二塁打。3回にもレフトへ二塁打を放つなど、バッティングで強烈な印象を残した沖縄尚学の知花慎之助。地方大会でも大当たりだったようで、切り込み隊長として申し分ない。守備範囲も広く、三拍子そろった好選手と見た。

◆ ◆ ◆

 この他、初戦で敗退してしまったが、東邦(愛知)の一塁手・石川瑛貴(2年)、山梨学院の4番を打つ高橋海翔(2年)も完成度の高い選手と感じた。どのような結果であれ、明治神宮大会での経験はとても大きいはずだ。それを財産として、今後につながる練習をしていってほしいと思う。

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【プロフィール】
前田三夫 まえだ・みつお 
1949年、千葉県生まれ。木更津中央高(現・木更津総合高)卒業後、帝京大に進学。卒業を前にした1972年、帝京高野球部監督に就任。1978年、第50回センバツで甲子園初出場を果たし、以降、甲子園に春14回、夏12回出場。うち優勝は夏2回、春1回。準優勝は春2回。帝京高を全国レベルの強豪校に育て、プロに送り出した教え子も多数。2021年夏を最後に勇退。現在は同校名誉監督。

【著者プロフィール】
藤井利香 ふじい・りか 
フリーライター。東京都出身。ラグビー専門誌の編集部を経て、独立。高校野球、プロ野球、バレーボールなどスポーツ関連の取材をする一方で、芸能人から一般人までさまざまな分野で生きる人々を多数取材。著書に指導者にスポットを当てた『監督と甲子園』シリーズ、『幻のバイブル』『小山台野球班の記録』(いずれも日刊スポーツ出版社)など。帝京高野球部名誉監督の前田三夫氏の著書『鬼軍曹の歩いた道』(ごま書房新書)では、編集・構成を担当している。

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