ふたりの「コンドウ・カズキ」がドラフトに向け語り合う。NPBには何が必要なのか (2ページ目)

  • 島村誠也●文・写真 text & photo by Shimamura Seiya

近藤壱来が描いた成長曲線

一樹 イチについて、高校、社会人時代は注目されている投手と聞いていたんですが、いざ見たら着地する足がバラバラで、これではリリースが安定するはずがない。そこで一定の場所に着地させる練習をさせました。足が安定せずに、上が安定することはまずない。一定の動き、一定のリズムで投げることを意識させてからは、ボールがばらつくことがなくなり、ピッチングがまとまるようになりました。

壱来 先ほどのアウトローですが、それこそ試合でもそこだけを意識して投げたこともありました。自分のボールに手ごたえを感じ始めたのは、そこを徹底的に意識して取り組んでからです。

一樹 イチのピッチャーとしての特長は、チームの柱として、先発完投してくれること。去年は20試合で8完投、3完封。チャンピオンシップでも完封してくれた。勝っても負けても、ひとりで投げてくれる計算ができるピッチャーということです。

壱来 ものすごく体は大きいわけではないし(180センチ・78キロ)、バッターが「うわっ」となるような球も持ってないですが、投げるスタミナはあると思います。最終回になってもスピードが落ちないとか、もう1回頑張れるとか。どれだけ粘れるかはコーチから言われていることでもありますので......。

一樹 このリーグで満足するなら今のままで十分と思うけど、上(NPB)を目指すなら、もっともっと改善するところがある。それだけ伸びしろがあるということなんです。

壱来 上に行くにはすべてのレベルが足りていないですね。真っすぐにしても、ただ馬力で投げているだけで、コーチが投げる球とは明らかにキレ、伸び、回転が違います。変化球もコーチはめちゃくちゃ回転をかけられるし、コントロールもあるし、腕も振れる。そういう意味で、僕はただスタミナがあるだけのピッチャーだと思っているので、そこを生かしつつ、ほかを鍛えていければと思っています。

一樹 球質はまだまだですけど、球速というところの出力は上がってきている。僕と会う前は145キロで喜んでいたのが、今は150キロが出ないと喜べなくなった。

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