22歳になった元スーパー中学生。かつてのチームメイトがいるNPBの世界へ「最後まであきらめない」 (3ページ目)
積極果敢な姿勢の重要性も説き「失敗しても構わない。失敗して足りない部分を徹底的に鍛えていく。失敗しないと足りないところも見えてきませんから」と、公式戦の多さを生かした"トライ&エラー"で、濱をさらなる高みに誘おうとしている。
走攻守で猛アピール
その成果はシーズン序盤から発揮された。開幕8試合で6盗塁。昨年は67試合で10盗塁だったことを考えれば格段の進歩だ。
5月11日に行なわれたNOL選抜とDeNA二軍との交流試合では、濱口遥大らの前に無安打だったものの、次打者が出塁した際に牽制球が頭に当たると、すぐに体をほぐし臨時代走へ。ここで二盗を試みて間一髪セーフとなると、すぐさま今度はモーションを完璧に盗んで三盗。これが相手捕手の悪送球を誘いホームを踏んだ。
「打撃でいいところを見せられなかったので、なんとか足でアピールしようと思いました。牽制が頭に当たった瞬間、もう準備していました」
大学に進んだ同期たちのなかには、東京六大学に進んだ中川のように華やかな世界でプレーする選手もいるが、濱は独立リーグで泥にまみれたからこそ得たものがあると自負している。
「プロ野球で活躍された指導者の方から多くのことを学んできましたし、200試合を超える公式戦を重ねてきました。オフもみっちりトレーニングをして、1年間を通して活躍できる体になりました。誰にも負けたくないという気持ちですし、誰にも負けていないと思っています」
真っ黒に日焼けした顔からは、自信がみなぎっていた。かつての"スーパー中学生"は、エリート街道ではない道のりだからこそ身につけた武器を備え、再び脚光を浴びようとしている。
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