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22歳になった元スーパー中学生。かつてのチームメイトがいるNPBの世界へ「最後まであきらめない」

  • 高木遊●文・写真 text & photo by Takagi Yu

 あるテレビ番組で「スーパー中学生」として取り上げられてから、はや6年。日本海オセアンリーグ(以下、NOL)の福井ネクサスエレファンツに所属する濱将乃介は、「今年こそ」という思いでNPBスカウトに懸命のアピールを続けている。

今季から福井ネクサスエレファンツでプレーする濱将乃介今季から福井ネクサスエレファンツでプレーする濱将乃介この記事に関連する写真を見る

元チームメイトは次々とNPBへ

 濱は身長181センチ、体重81キロの均整のとれた体格で、走攻守三拍子揃う右投左打の外野手である。大阪出身で、中学時代は増田陸(明秀日立→巨人)、野村大樹(早稲田実業→ソフトバンク)、中川卓也(大阪桐蔭→早稲田大)らとともに大阪福島リトルシニアでプレー。投打の中心選手として、彼らに負けず劣らずの才能を発揮していた。

 高校は「甲子園に行きたい」と、東海大甲府へ進学。参加校が30ほどで強豪校も限られている山梨への野球留学は、自身の目標を叶え、夢を広げる近道に思えた。だが、「1回も行けませんでした」と振り返るように、甲子園出場は果たせず、能力をアピールしきれないまま3年間を終えた。

 とはいえ、強豪校の主力選手。大学進学も可能だったが、濱が選んだのは独立リーグだった。増田と野村はそれぞれチームの中心選手として甲子園でも活躍し、高卒でNPB入りを果たした。濱はそんな元チームメイトの活躍に「1年でも早く自分も同じステージに行きたい」と、あえてイバラの道を選んだ。

 高校卒業後に入団したのは、四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグス。2019年は駒田徳広監督(現・巨人三軍監督)のもと、開幕戦から3番を任されるなど期待され、公式戦62試合に出場。実戦経験を積むとともに、名球会メンバーでもある駒田監督から「打席のなかでの考え方、狙い球の待ち方を学びました」と、一流のエキスを吸収した。

 2年目、3年目は、NPB通算619試合に登板した吉田豊彦監督からシーズンを通して戦い抜ける体づくりの重要性を説かれ、全体練習後、自主練習後にポール間走を10本行なうことを日課にした。

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