2022.04.30

センバツ4強の國學院久我山にも快勝。あの憎たらしいほど強かった帝京が帰ってくるか

  • 菊地高弘●文・写真 text & photo by Kikuchi Takahiro

「帝京が強くなっていますよ」

 この春、帝京の試合を見た知人から続々とそんな報告が寄せられた。

 かつては甲子園優勝3回を飾り、「東の横綱」と呼ばれるほど黄金時代を築いた帝京。縦縞のユニホームは常勝チームの象徴だった。

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強打の帝京が復活

 だが、2011年夏を最後に甲子園出場から遠ざかり、2021年夏には甲子園通算51勝の前田三夫監督が退任。36歳の金田優哉監督が後任に就いた。

 金田監督は自身も帝京OBで、2年生だった2002年夏の甲子園では背番号15でベンチ入り。筑波大卒業後は一般企業に就職したが、2年で退職して教員の道へ。駒大高でのコーチを経て、2011年から帝京のコーチに就いている。

 筆者は昨秋の東京大会準々決勝で國學院久我山に4対7で敗れた試合を見ていた。前田監督体制では見られなかった、大きなボディーアクションでスイングする打者が並ぶのは新鮮だった。その一方で、高卒でプロ入りを狙える選手がいるわけでもなく、さほど強さを感じなかったのが正直な感想だった。

 ところが一冬越えた今春、帝京は破竹の勢いで勝ち進んだ。3回戦で創価に9対2、4回戦で早稲田実に13対0(5回コールド)と強豪を圧倒すると、準々決勝では甲子園帰りの國學院久我山に6対0とリベンジしている。

 スリーボンドスタジアム八王子での準決勝・関東一戦に足を運ぶと、試合開始直後から思わず息をのんだ。帝京の打者のスイングが見違えるほど力強く、伸びやかなのだ。

 近年の帝京の打者と言えば、下半身の動作を極力抑え、ヘソの前で手首を返すことでバットヘッドを走らせる打撃が主流だった。だが、今の帝京は足を高々と上げる打者も多く、タイミングのとり方は人それぞれ。のちに金田監督に聞くと、「バッティングフォームは何も言いません。選手がどんなピッチャーにも対応できるよう逆算して、自分たちでつかんでいきます」と明かした。