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コロナ禍によりドラフト候補激減のセンバツで、「指名確実」とスカウトが評価した3人の逸材

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

「仕事にならないよ......」。そう苦笑いを浮かべるスカウトもいたほど、今年のセンバツはドラフト候補が少なかった。昨年は達孝太(天理→日本ハム)、小園健太(市和歌山→DeNA)、松川虎生(市和歌山→ロッテ)とドラフト1位が3人もいただけに、その差は歴然だった。

 それにしても、なぜ今年はそんなにもドラフト候補が少ないのか。あるスカウトはその理由をこう説明する。

「コロナによって練習量が足りないのが一番でしょう。高校生のような育成年代には、練習は質より量なんです。最低限の練習量は絶対にいるんです。それがコロナによって確保できなくなっている。これが影響して、成長を阻害しているのは間違いないと思います」

 コロナにより部活動の時間に制限が設けられ、1日2時間、土日も3時間以内や半日のみと限定され、思うように練習ができないチームがほとんどだ。近年は長時間練習や過度な練習を咎められる時代だが、そもそも最低限の練習量すらできておらず、伸びるものも伸びないというわけだ。

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指名確実と評された3人

 ただ、そんな状況下でもプロスカウトの目に留まった選手はいる。現時点で指名確実と言われる選手は以下の3人だ。スカウトのコメントを紹介したい。

山田陽翔(近江/投手/右投右打)

「明るくて、前向きな性格がいい。持ってる男というか、運を味方につけられる感じがする。近年は淡々とプレーする選手が多いなか、勝ちたいという気持ちが前面に出ている。藤嶋健人(東邦→中日)と同じ匂いがするね」(パ・リーグスカウトA氏)

「立ち姿からセンスを感じる。ストレートは常時140キロを超えているし、右打者にも左打者にも空振りがとれる変化球がある。ヒジを痛めたことで投げ方を変えたみたいだけど、よくなっている」(セ・リーグスカウトB氏)

「今回の甲子園では力任せで打っている印象があるけど、昨年夏はセンター中心にいいバッティングをしていた。フリーバッティングを見ていてもミートの精度が高く、飛距離も出る。投手だけでなく、打者としても面白い選手です」(パ・リーグスカウトC氏)

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