コロナ禍によりドラフト候補激減のセンバツで、「指名確実」とスカウトが評価した3人の逸材 (2ページ目)
大野稼頭央(大島/投手/左投左打)
「投げっぷりのよさが光ります。球種が豊富で、それぞれの精度も高く、しっかり操っているところがいい。身体ができてくれば面白い存在になる」(パ・リーグスカウトA氏)
「評価したいのは、右打者へのアウトコースのストレート。この球がシュート回転せずに決まっていた。これはしっかり指にかかって投げられている証拠。これができる選手はいろんな変化球を投げられるようになると思います。楽しみな選手です」(セ・リーグスカウトD氏)
松尾汐恩(大阪桐蔭/捕手/右投右打)
「肩が強いのが最大の魅力。二塁送球タイムがすばらしい(イニング間の送球で1.9秒台を連発)。市和歌山との試合ではショートも守ったけど、動きのいいキャッチャーになるでしょう」(セ・リーグスカウトB氏)
「バッティングの考え方を変えたら、高校時代の浅村栄斗(現・楽天)くらい打つ可能性があります。今は振り回して飛ばそうとしている感じだけど、しっかりミートすることを心がければもっとよくなるはず。漫画の『ドカベン』で言えば、山田太郎ではなく、微笑三太郎や土井垣将タイプ。ヒットを打ちにいくバッティングをしてくれればいいんだけどね」(パ・リーグスカウトA氏)
市和歌山・米田の完成度の高さ
このほかに名前が挙がったのが、花巻東、明秀日立を抑えた市和歌山のエース・米田天翼。
「この大会の右投手では一番完成度が高く、ボールは一級品。佐々木麟太郎(花巻東の2年生スラッガー)がこれまで対戦したなかでは一番速いピッチャーだったんじゃないかな。どの球を打てばいいのかわからなくなっていたよね。あのピッチングに象徴されるように、身体は大きくないけど、技術を持っている。ベース付近でのボールの強さを感じました」(パ・リーグスカウトC氏)
現時点で大学進学が濃厚と言われている選手では、宮城誇南(浦和学院)、冨田遼弥(鳴門)の両左腕が高い評価を受けた。冨田を大会ナンバーワン投手と評するスカウトもいたほどだ。また右投手では、森山陽一朗(広陵)、猪俣駿太(明秀日立)、榎谷礼央(山梨学院)の将来性に期待する声があがった。
冒頭でも触れたように、現3年生はコロナの影響をまともに受け、練習量が圧倒的に不足している世代である。言い換えれば、伸びしろはまだまだあるということ。これから新学期となり、しっかり練習できる環境が整うことを願うとともに、夏の大会ではひとりでも多くの選手の成長した姿が見られることを期待したい。
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