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鳴門が「ぶっつけ本番」で大阪桐蔭に挑む。昨秋防御率0点台エースと190㎝90kgの「鳴門のラオウ」は躍動できるか (3ページ目)

  • 寺下友徳●取材・文 text by Terashita Tomonori
  • photo by Terashita Tomonori

「岩をも砕く不断の力」で巨岩に挑む

 このように伝統の「うずしお打線」の後継者たちが成長を遂げている鳴門だが、大阪桐蔭打線を抑えるにはやはりエースの力が必要だ。そこで、森脇監督が絶対的な信頼を置く女房役・土肥憲将(新3年)と冨田のバッテリーに大阪桐蔭打線の攻略法を聞いた。

「内角を使っていきたい」との無難な答えに終始した土肥に対し、冨田の答えは「冬に習得してきた変化球を使っていきたい」と具体的だった。その答えは......焦らず試合当日の楽しみとしよう。

 彼らのポジティブシンキングに安堵して応接室に戻ると、達筆で書かれた額が目に飛び込んできた。

「岩をも砕く 不断の力」

 鳴門高校校歌の一節だ。そこで筆者は思い出した。河野竜生を擁し、センバツ王者・智辯学園を撃破してベスト8入りした2016年夏の甲子園に代表されるように、強敵を撃破してきた過去の鳴門は、この節を凝縮した闘いをことごとく演じてきたことを。

 鳴門にとって過去最大の巨岩である大阪桐蔭との闘い。いくたの困難を乗り越え、彼らが「不断の力」を結集することができれば、試合後の聖地には輝く鳴門の健児たちの姿が見られるはずだ。

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