「静」の天理と「動」の仙台育英。采配に表われる両監督のバックボーン (4ページ目)
分析力に優れた須江監督は、現在の仙台育英の野球をこう見る。
「2020年のチームは、佐々木順一朗先生の時の仙台育英のよさが残っていたんです。勢いに乗ったら手がつけられない。僕では佐々木先生のころの仙台育英は作れないので、ひとつひとつに根拠のある繊細な野球を突き詰めていくしかないですね」
徹底的に敵を分析し、打てなければ足を使って投手を揺さぶる。得点する手段はヒットだけではない。
天理には、2回戦で強打の健大高崎を2安打完封した193cmの好投手・達がいる。仙台育英には、146キロのストレートで明徳義塾打線をノーヒットに抑えたエースの伊藤樹など、140キロ以上のボールを投げる投手が4人も揃っている。どちらの打線も強力で、戦力的には甲乙つけがたい。
勝負を分けるのは、対照的な指揮官の"監督力"かもしれない。
■元永知宏 著
『補欠のミカタ レギュラーになれなかった甲子園監督の言葉』(徳間書店)
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