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甲子園出場後に高校中退。そこから
プロを目指す「生意気な」右腕の個性 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

 昨年まで7年連続でドラフト指名(育成を含む)を受けている徳島インディゴソックスは、今年も戸田だけでなくドラフト指名が有力視される好素材がひしめいている。

 縦に鋭く落ちるナックルカーブを武器にする亀山英輝、身長190センチ、体重95キロの大型右腕・森祐樹、山本由伸(オリックス)によく似たフォームの楢崎塁、19歳の素材型右腕の行木俊などがスカウト陣からマークされている。

 DeNAやオリックスなどNPBでも投手コーチを務めた吉田コーチは、投手に対してこんなアドバイスを送っている。

「独立リーグではストライクゾーンで勝負できるようじゃないと、上ではとてもじゃないが勝負できない。ストライク先行で、決め球を持つこと。落ちる球がないと上では厳しいですから」

 チームメイトに対しても、戸田は「負けたくない。だから練習できる」と闘争心を燃やしている。こんな貪欲なハートを持った投手がNPB球団に飛び込んだら、若手の競争意識を煽る貴重な存在になるかもしれない。

 最後に戸田は決然とこう語った。

「自分にはアピールすることしかできません。ドラフトまでに『この時こうすればよかった』と思うようなことがないように、1球1球を全力で投げたいです」

 今年も徳島は指名ラッシュに沸くのか。その筆頭候補が戸田懐生なのは間違いない。

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