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「岡本和真に負けた」。そして元U 18
日本代表の野球エリートは起業を目指した (5ページ目)

  • 沢井史●文 text by Sawai Fumi
  • photo by Sawai Fumi

「企業回りをしていたんです。就活ではなく、会社の経営者の方に直接会って、話を聞いていました。アポなしで会社訪問したこともありました。『就活していない大学4年生です』って言ったら、受付の人の反応は冷たかったですね(笑)。でも、ほとんどの社長さんは話を聞いてくれて、『起業したい』『こんなことをしたい』と言ったら、いろんなことを教えてくださいました。

 ある経営者の方は、Facebookで自分のことを紹介してくれたんです。そこから評判が広まって、元U18日本代表でこれだけ意欲ある大学生がいると......。わざわざ東京から会いに来てくれた社長さんもいました」

 卒業後は通信系の会社に一旦就職したが、3カ月で退職。その直後、オーダースーツの事業を立ち上げた。店は構えず、やりとりするのはパソコンのみ。仕上がったスーツは、通常は宅配業者を介して発送するのだが、安田のポリシーは"人と会う"こと。採寸と仕上がったスーツを届けるのは、必ず自分で行なっている。

「僕の仕事は、最低でも2回はお客さんに会うことになります。人と会うことで学ぶこともあるし、つながりも深くなる。会話するうちに話が広がって、飲みに行く先でまた誰かとつながって......。自分、人と会うのがホンマに好きなんです。つながりが増えれば、そこでスーツをオーダーしてくれる人に出会えるかもしれないじゃないですか」

 安田も名を連ねたU18日本代表メンバー18人のうち、9人がプロ入りを果たしている。

「あのメンバーのなかで、いま野球をやっていないのは自分だけだと思います」

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