松井秀喜に5敬遠。ヒールと呼ばれても
慕われる明徳・馬淵監督の素顔

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 内村コーチは神奈川県出身。明徳義塾在学中は5季すべてでチームが甲子園出場。高校卒業後は日本大、日立製作所と進み、現役引退後は日本大のコーチを務めた。関東で結婚し、子宝にも恵まれたなか、馬淵監督からコーチの誘いを受けて明徳義塾に戻ることにしたという。

 一家で移住するとなると、相当な覚悟が必要になる。だが、実際には大きな苦労はないという。なぜなら、「オヤジ」が何かと気にかけてくれるからだ。

「監督はもちろんなんですけど、奥さんにもめちゃくちゃお世話になっているんです。僕が高校生だった頃は、熱を出した時など、本当の家族のように面倒を見てもらいました。今でも足を向けて寝られないですよ」

 1985年生まれの川﨑コーチも妻と明徳生活を送るが、馬淵監督夫婦への気遣いに感謝しているという。

「監督が夫婦で家に呼んでくださって、食事をしながらいろんな話ができるのが大きいと思います。監督夫婦が親身になってくださるので、ウチの妻も心強いようです。いくら山奥に住んでいようが、相談できる人、話せる人がいれば悩むことはないですから」

 取材中、川﨑コーチを呼び出そうと電話した内村コーチが、通話を切る間際に「家にダイコンあるから持っていってよ」と話しているのが聞こえ、吹き出してしまった。所帯じみた会話に明徳義塾の「ファミリー感」を感じずにはいられなかった。

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