山崎武司が夏の強打者10人を診断。「育てたい」という意外な球児は? (10ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

名門・智弁和歌山で1年から4番を任される徳丸天晴名門・智弁和歌山で1年から4番を任される徳丸天晴徳丸天晴(とくまる・てんせい/智弁和歌山1年/183cm79kg/外野手/右投右打)

1年生ながら名門の4番を任されるだけだって、体に力があって強く振れるのがいいですね。まだ1年生ですから、粗さがあるのは当然。これから大きく成長してもらいたいです。1つだけ指摘させてもらうと、打ちにいく際の姿勢を改善した方がいいでしょう。ステップする際に左肩がホームベースに被さるように入ってくるので、インコースはすべて詰まってしまいます。ピッチャーから背番号が見えてしまうようなボールの待ち方だと、アウトコースの甘い球は打ててもインコースは早めに開いて打つしかありません。ピッチャーに対して真っすぐステップできるといいですね。

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 昨夏の根尾昂(中日)、藤原恭大(ロッテ)のようなインパクトのある打者は少なく感じましたが、大事なのは高校以降でどれだけの技術を身につけられるかです。将来性の高い打者はまだまだいるなと感じました。

 全体的に少し気になったのは、メジャーリーグの影響なのか上半身の力だけで振ろうとしている打者が多かったことです。たしかにロスの小さいメジャーリーガーのスイングはある意味、理想です。でも、それは強靭な上半身の筋力があった上でのこと。外国人の丸太のような腕があれば別ですが、日本人の場合は骨格的に全身をフルに使ったスイングのほうが合っていると僕は思います。

 上半身の力に頼っている打者のほとんどは、高校卒業後に木製バットに変わって苦労しています。そうなるとバッティングを一から作り直さなければならないので、高校時代からしっかりとした形を作っておいた方がいいでしょう。

 ポイントはやはり「上半身と下半身のバランス」。上半身はヒッチやコックなどの予備動作、遊びで間(ま)を作って、下半身は軸足側に体重を残しながら前へステップする。もちろん、打者によって向き不向きはありますが、基本動作として頭に入れておいてもらいたいですね。

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