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目玉選手よりも「光る一芸」。
スカウトが秘かに狙うセンバツの7人 (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 ヤクルトの斉藤宜之スカウトは、「あくまで楽しみな存在ということで......」と前置きして挙げたのが、盛岡大付属の岡田光輝(外野手/176センチ75キロ/右投右打)だ。

「東北大会で『おおっ!』と思いました。いい肩をしていたので。シートノックの時からきれいな球筋の、グングン伸びるボールを投げていました。バッティングも、見た試合でヒットを2本打って、"抜群"っていうほどじゃないけど足も速い。この先、バッティングで大きく成長したら、リストに追加しなきゃと考えています」

 斉藤スカウトといえば、このセンバツでも"優勝候補"の一角に挙げられている横浜高出身である。母校の後輩たちは斉藤スカウトの目にどう映っているのか。

「たしかに、及川がいるのでマークされていますよね。研究されますから、チーム力は高くても楽な戦いには絶対にならないと思います。僕自身は、新2年生となる度会隆輝(わたらい・りゅうき/内野手/180センチ76キロ/右投左打)や津田啓史(内野手/180センチ77キロ/右投右打)に注目しています。とくに度会のバッティングには天才的なものを感じます。同じ左打者で横浜高OBの近藤健介(日本ハム)に近いセンスと技術を兼ね備えています。

 新2年生にはもうひとり、松本隆之介(投手/188センチ76キロ/左投左打)という選手がいるのですが、いい時の彼はアベレージで145キロ前後。それにスピードがあるわりにはボールが荒れないから、試合がつくれる。このセンバツでも先発する可能性があるかもしれないですよ」

 センバツは高校野球ファンにとってはもちろんだが、スカウトたちにとっても昨年秋からの成長を確認する楽しみな大会なのだ。スカウトたちの想像をはるかに超える選手は現れるのか......3月23日が待ち遠しい。

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