東大法学部外野手にスカウトも注目。志すは赤門初のプロ野手か司法の道 (5ページ目)

  • 松本英資●文 text by Matsumoto Hidesuke
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 1925年の秋に発足した東京六大学野球連盟は、今秋で179シーズン目を迎える。歴代優勝回数は45回を誇る早稲田大を筆頭に、法政大の44回、明治大の39回、慶応大の36回、立教大の13回と続く。東大はいまだ無冠だ。甲子園常連校や強豪校出身の好選手を多く揃える5大学の後塵を拝している。

「東京六大学リーグの実力は、大学球界トップランクだと確信しています。東大はその5大学から勝たなくてはならない。毎試合ごと、いろいろ考えて戦っているつもりですが、勝てる保証はない。だけど、1勝を目指して、さらに勝ち点を......というように段階を踏んで勝ちを目指してやっていくしかありません。ある意味、挑戦。ウチの野球部にとって今、いちばん適切な言葉は"挑戦"だと思います。挑戦しなかったら存在意義がない組織なのかもしれません」

 すでに捲土重来を期して練習に明け暮れている。毎朝8時から12時まで全体練習をこなし、午後2時から4時ぐらいまで自主練習で鍛え抜く。ほぼ野球漬けの1日だが、学業も怠らない。現在、辻居は法学部3年生。法律プロフェッショナルコースに籍を置く。

「父親や一番上の兄と同じ司法の道を目指して、司法受験を視野に入れていますが、ほかの職業に就くことも考えています。とくに、具体的な職種を決めたわけではありません。実は、現在の第一目標は、周囲の方から『上を目指さないか』という言葉をかけてもらえるような選手になること。現状、上でプレーできるレベルに達していないですし、そのつもりはありません。野球は大学まで、と考えています。だけど今後、周りから認められる選手になれたら......考え直すかもしれません」

 これまで東大出身のプロ野球選手は6人いるが、すべて投手。もし来年のドラフトに辻居が指名されれば、東大出身初の野手でのプロ野球選手となる。辻居自身は「そのレベルに達していない」と謙遜するが、これまでさまざまな困難に率先して立ち向かってきた。そのスポーツマン精神の源泉を感じると同時に、辻居の大いなる可能性に期待したい。

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