2018.05.18

プロ入りゼロの玉川大に謎の151キロ右腕。
来年ドラフト指名はあるか

  • 松本英資●文 text by Matsumoto Hidesuke

 首都大学リーグの2部に所属する玉川大学硬式野球部は、過去に輝かしい実績もなければ、プロに進んだ選手もいない。そんな無名の大学に、来年のドラフト候補になりうる未完の大器がいる。

 選手の名は、山田綾人。186センチ、92キロ、最速151キロの本格派右腕だ。

昨年の巨人三軍との試合で好投し、一躍注目を集めた玉川大の山田綾人 山田がプロスカウトから注目される存在になったきっかけは、昨年の3月13日まで遡(さかのぼ)る。この日行なわれた巨人三軍とのプロ・アマ交流戦に、山田は先発登板し、6イニングを投げて4安打、5奪三振、1失点の好投を見せたのだ。

 三軍といっても、そのときのメンバーには片岡治大(現在は巨人の二軍コーチ)や、今季ブレイク中の吉川尚輝、若手成長株の和田恋など、名のある選手が揃っていた。そんな格上相手に、右肩に違和感を抱えながら、150キロ近いストレートと多彩な変化球で翻弄。一躍、スカウトからマークされる存在となった。

「普段のピッチングで心掛けていることがあります。常時145キロ以上のストレートを出すことと、変化球でもカウントを稼ぐこと。それができたら100点。あの試合ではその半分程度しかできなかったので、自己採点するなら50~60点ぐらいです」

 そう冷静に振り返った山田だったが、対戦しながらプロの凄さをヒシヒシと感じていた。

「大学生と違い、上位下位を問わず、どのバッターもオーラが凄かった。さすがプロですね。特に、片岡選手のオーラが最も印象に残っています。打席に入った瞬間から集中力がみなぎっていて、ずっと僕から視線をそらさない……恐怖心すら感じました。そのせいか、インコースに攻めづらかった(笑)。幸い、3打席凡退に打ち取ったのですが、片岡選手のような凄いオーラを放つバッターと対戦したのは僕の野球人生で初めてでした」