プロ入りゼロの玉川大に謎の151キロ右腕。来年ドラフト指名はあるか (4ページ目)
実は中学時代、青葉緑東シニアで山田を指導していた関本氏は玉川大学の特別コーチも務めている。樋澤監督同様、関本氏の山田に対する評価は厳しい。
「もし来年、プロを目指したいのであれば、MAX155キロを目指すよりも常時145キロ以上のストレートを投げることに重点を置くべきだとアドバイスしているんですが......現状135~137キロ台のストレートが目立つ。
決め球も少ないですし、バッターを追い込んでからフォークなどの変化球で確実に三振を奪えるピッチングをマスターしない限り、プロでは通用しません。今、身につけるべきことは、ひとつでも多くの三振を取って、奪三振率を上げること。体力面に関しても、現役時代の桑田真澄のような一流選手に比べたらまだ半分ぐらいしかない。今のままでは育成枠でようやくいけるかどうか......」
甘い言葉は一切かけない。それは期待の裏返しでもある。関本氏なりに山田が将来プロへ進む道のりを模索する。
「シーズンを通して好調を維持し、今年の秋頃までに社会人の強豪チームから声がかかるぐらいでないと、来年のプロ入りは難しいでしょう。何とかプロに行ってほしいのですが......。私も特別コーチの任期は今年を含め、残り2年。おそらくプロ入りしそうな教え子は、山田が最後になると思います」
指導者としての集大成を、山田に託すつもりだ。
玉川大学には専用球場や雨天練習場、合宿所といった野球名門校のような施設は整っていない。普段使用するグラウンドも付属中学・高校の体育授業と併用するため、練習時間も限られる。環境はこの上なく厳しいが、これまで育ててもらった方に恩返しするためにも、山田は貪欲にプロを目指す。
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