2018.07.25

大谷翔平の兄も奮闘。都市対抗で大敗も
トヨタ自動車東日本が一歩前へ

  • 佐々木亨●文 text by Sasaki Toru
  • photo by Kyodo News

 結果から言えば、大敗である。

 7月17日、東京ドーム。第89回都市対抗野球大会において唯一の初出場チームだったトヨタ自動車東日本(金ヶ崎町)は、10年連続40回目の出場となった東芝(川崎市)に屈した。

創部7年目で都市対抗初出場を果たしたトヨタ自動車東日本のナイン 2012年の創部からチームを支える先発右腕の阿世知暢(あぜち・とおる)は、持ち前のシンカーを効果的に使って1回表を三者凡退に抑えた。だが2回表、先頭打者への四球を皮切りに二死二塁とピンチを迎えると、東芝の7番・小川裕生にストレートを右翼スタンドへ運ばれて2点を失った。

 さらに3回表は、東芝の主将、3番の松本幸一郎に、左翼ポール際へ飛び込む3ラン本塁打を浴びて点差を広げられる。ともに左打者に打たれたアーチを阿世知は悔いた。

「1本目はインコース狙いのストレートが真ん中に入ってしまった。2本目はカウントを悪くするなかで、ストレートがアウトコース高めへいってしまった。うまく押し込まれてしまいました」

 中盤以降も流れは変わらない。2番手として登板した右下手投げの吉橋幸治、3番手の佐々木大和、さらに、JR東日本東北からの補強選手で東京ドームのマウンドを知る左腕の西村祐太までもが、東芝の勢いを止めることができずに4回表だけで5失点。6回表は西村が単打3本を集められ、7回表には、きらやか銀行からの補強選手である小島康明が連続長打を浴び、ともに1点ずつを加えられて失点を重ねた。

 投手5人で計12失点。3失策も響いて、初の夢舞台は終わった。

「残念です。全国の壁は厚かった……」

 トヨタ東日本の三鬼賢常(みき・けんじょう)監督はそう語り、唇を噛みしめた。

 ただ、創部7年目で辿り着いた東京ドームで、選手たちは笑顔を絶やすことがなかった。

 一塁側ベンチがもっとも盛り上がったのは1回裏だ。チーム初安打となる右中間二塁打を放った2番・林竜希が起爆剤となりチャンスをつかむと、4番・北見昂之(たかゆき)のサードへ打球が内野安打となり先取点。たとえ一瞬だったかもしれないが、都市対抗の常連チームを慌てさせた。