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坂本勇人の恩師も信頼。明秀日立の
遊撃手はガンガン振ってプロも目指す (2ページ目)

  • 高木遊●文・写真 text&photo by Takagi Yu

 そして「やっぱり増田がグングン引っ張っていくスタイルになったときがウチは強いですね」と、春夏連続甲子園出場のキーマンのひとりに挙げた。

 増田もまた、金沢監督への思いをこう語る。

「夏が終わってから、『監督ともっと野球がしたかった』と思うそうですが、僕はもう今でも『もっと教えてもらいたい』という気持ちです。だから甲子園に行って、仲間とも監督とももっと長く一緒にプレーしたいです」

 この充実した日々の中で、増田は新たな目標も見つけた。

「プロに挑戦しようかなと思っています。センバツが終わってから意識しはじめました。小さい頃からプロ野球選手になりたいと思ってきましたが、そこまでうまくないし、すごくもなかったので、強く思えることはできませんでした。でもセンバツで活躍して『もっと頑張れば、夢じゃなくなるんじゃないか......現実になるんじゃないか』って感じたので、本気になって挑戦してみようと思いました」

 中学時代は中川や野村、高校では現エースの細川拓哉の方が先に注目を集め、増田は後塵を拝していた。ただ彼らの存在は認めつつも、常に反骨心を持って目の前の厳しい練習に励んできた。特に中学時代から同じ内野手として高め合ってきた中川に対し、その思いは強烈にある。

「今もまだまだですけど、追い越せるように。ライバル心を持ってやっていきたいです」

 好きな言葉は"姿勢"。金沢監督から「姿に勢いのある選手がいい選手や」と言われた言葉を大切にし、帽子のツバにもしたためた。

「自分はボールを見ていくバッターじゃありません。どんどん振っていくバッターなので、そこは貫きたいです」

 そう決意を語った最後の夏。7月12日の初戦(岩瀬日大高戦)では3打数3安打4打点の活躍で、18-0というチームの大勝に貢献した。

 あの舞台で、最高のライバルともう一度。積極果敢な姿勢でチームを、そして自らをさらなる高みへと導いていく。

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