2018.07.14

ひっくり返るぐらいの驚き。
星稜の1年生・内山壮真は「モノが違う」

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 高見博樹●写真 photo by Takami Hiroki

「星稜(石川)の1年生ショートがすごい!」という話は、今年の春から聞いていた。いや、正確に言えば、昨年の今頃から「星稜中の内山壮真(そうま)はモノが違う」と、何人もの野球通から伝え聞いていた。

 入学してすぐにショートのレギュラーを獲得したという内山は、身長172cm、体重72kgの右投右打の内野手。頭のなかで勝手に描いていたイメージは、野球上手の俊足・好守でミートのうまいセンス抜群の選手。タイプとしては1、2番……。高校卒業後は大学、社会人に進み、いずれはアマチュア球界の指導者やリーダーになっていくのかなぁ……と、ざっとこんな感じだった。

中学時代もU15侍ジャパンのメンバーとして活躍した星稜の1年生・内山壮真 ところが、6月の北信越大会で初めて彼のプレーを見て、ひっくり返るぐらい驚いた。

 内山のバッティングを見て、まず頭のなかに浮かんだ選手が中田翔(日本ハム)だった。

 ポイントを前に置き、コツコツとミートして……そんなこちらの勝手な想定は、見事に吹っ飛ばされた。

 バッターボックスの一番うしろ(捕手寄り)に立って、最初から軸足(右足)に全体重を乗せて投球を待つ。耳の高さに掲げたグリップは、左足を踏み込んでいってもピクリとも動かず、上半身と下半身の”割れ”をこんなに大胆につくれる高校生など、3年生でもそういるものではない。体の強さ、スイングスピードによほどの自信を持っているのだろう。

 そのままやや軸足に体重を置き、豪快に振り抜くと、打球は雄大な放物線を描いてレフトポール際上空をはるかに越える大ファウル。そしてその次の球を、今度はコンパクトに振り抜き、ライナーでレフトポール際のフェンスを直撃した。

「やっぱり、中田翔だ」

 翌日の試合(対高岡商)での打席には、もっとうならされた。

 この試合、内山は結果的にほとんどスイングさせてもらえなかった。前日の打ちっぷりを目の当たりにしたからだろう。高岡商バッテリーは芯を外そうとストライクからボールになる変化球で攻めてきた。バッテリーの狙いをあざ笑うかのように、内山は平然と見送った。