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2018ドラフト候補の大学生投手5人。
ジャパン合宿で見たら凄かった (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 紅白戦で、高めに抜けたフォークを近畿大の2年・竹村陸にスタンドインされるシーンがあったが、1球に対する用心深さが今後の課題か。それでも後続を150キロ近いストレートで追い込み、最後はしっかり外角低めにフォークを落として連続三振。あらためて潜在能力の高さを見せつけた。

 この合宿中に"フォーク"で光ったのは、立命館大の山上大輔(3年/右投左打/立命館宇治)だった。

 1年先輩にこの秋のドラフトでDeNAから単独1位指名された東克樹がいて、1学年下にはこの春に156キロを投げた福島滉貴がいる。いわば日常がサバイバルの山上にとって、こうした舞台はお手のものだ。

 山上のピッチングは、とにかく追い込んだらフォーク。打者の手元で急に鋭く落ちるため、フォークとわかっていてもバットに当たらない。立て続けにフォークで3つの空振り三振を奪ってみせた。

 この山上と同じ関西学生リーグに所属する関西大の山本隆広(3年/右投左打/大阪・桜宮)は、140キロ台後半のストレートを中心とした投げっぷりのよさが持ち味の投手だ。

 この投手、腕がしなるというよりも、肩がしなり、ヒジがしなり、手首までもしなって、なかなかボールが離れない。この球持ちのよさが力のタメをつくり、リリースで一気に素晴らしい爆発力を生む。まさに、唸(うな)るようなストレート。

 正真正銘のオーバーハンドなのに、ホームベース上でホップしているような球質。身長172センチと大きくないが、これだけ球持ちがよければ、打者は見た目以上に角度を感じているに違いない。投手にとって角度とは、身長が生むものではなく技術が生み出すものだ。山本のピッチングがそれを証明している。

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