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ドラフトもう1人の逸材、安田尚憲は
「松井秀喜さんを目指したい」

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito

 ホームランが乱れ飛んだこの夏の甲子園に出場していれば、どれだけの結果を残したのだろうか。この1年「清宮幸太郎のライバル」というい看板を背負ってきた安田尚憲(履正社)が、夏の大阪大会で見せたバッティングがあまりにも凄まじかったからだ。

 7試合で19打数12安打(打率.632)、3本塁打、13打点。出塁率.759、長打率.1.316、さらにプロの世界で1.00を超えると球界を代表する強打者と言われるOPSにいたっては2.075という数字を叩き出した。

日本代表として戦ったワールドカップでも活躍した安田尚憲日本代表として戦ったワールドカップでも活躍した安田尚憲 3本塁打のほかにも「あわや本塁打」という当たりが4本。過去、夏の大阪大会の本塁打記録はPL学園の福留孝介(現・阪神)の7本だったが、当時のメイン球場は両翼90.4メートル、中堅116メートルの日生球場。だが、安田が放った"あわやの4本"は、両翼98メートル、中堅122メートルの南港中央球場と、両翼100メートル、中堅122メートルの大阪シティ信用金庫スタジアム(旧・舞洲スタジアム)で放ったもの

 しかも打ったのは、準々決勝の大体大浪商と準決勝での大阪桐蔭というから中身も濃い。甲子園で大阪大会同様の活躍を見せていれば、ファンやマスコミの盛り上がりもあり、今とはまた違った評価になっていたかもしれない。

 そう安田に話を向けると、「ジャパンの合宿のときも、状態はかなり良かったです」と言ってきた。

「千葉工大との練習試合でインコースのストレートをライトに打った打球は、これまでで一番というぐらい飛びました。木のバットにボールが"乗った"という感じがあって、感触も最高でした」

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