あの大阪桐蔭にも弱点あり。
「勝ちパターン」に見る注目校の戦い方 (3ページ目)
昨夏4強の明徳義塾(高知)は8年連続出場。馬淵史郎監督は甲子園通算48勝29敗と50勝の大台が目前に迫る。馬淵監督は守りを重視するだけに後攻型。先攻では17勝13敗とわずかな勝ち越しだが、後攻では31勝16敗と大きく勝ち越している。
守りからリズムをつかみ、そこから犠打を使った手堅い野球で得点し逃げ切る。先制したときは35勝9敗と無類の強さを発揮する。
一方で先制されると13勝20敗と大きく負け越している。守りのチームで接戦に強いイメージがあるが、1点差ゲームは13勝12敗、2点差ゲームは4勝5敗、延長戦は4勝6敗と印象ほどの数字は残していない。
準優勝した2年前の再現を狙う仙台育英(宮城)の佐々木順一朗監督は甲子園通算26勝18敗。先攻で15勝8敗、後攻で11勝10敗と先攻を得意にしている。
準優勝した15年夏も1回戦から準決勝までは先攻で勝ち進んだが、唯一の後攻となった決勝は敗れた。先攻型だけに先制点を挙げると20勝6敗。逆に先制されると6勝12敗と大きく負け越しており、対戦校にとっては先制できるかどうかが大きなカギとなる。
過去4度ベスト8の聖光学院(福島)は、戦後最多となる11年連続出場。悲願の4強以上を狙う。斎藤智也監督は甲子園通算20勝17敗。先攻は8勝7敗、後攻も12勝10敗とどちらもしぶとい戦いを見せている。先制点を挙げると13勝7敗、先制されると7勝10敗だが、夏に限ると先制されても7勝6敗と勝ち越し。強豪らしからぬ泥臭さで粘り強く戦う。
泥臭さはスコアにも表れ、1点差ゲームで7勝4敗、2点差ゲームで4勝2敗、3点差ゲームで3勝1敗と接戦に強さを発揮する。カギは7回の守り。春夏合計37試合で7回に失点したのは6試合だけだが、その6試合はすべて敗れている。
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