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「背番号1」を競って進化するW左腕。秀岳館は「4強」の壁を破れるか (2ページ目)

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 決勝も指揮を執ることはないという。

「明日はテレビで応援します」

 翌日、決勝の相手は九州学院だった。9月に開催されるU18ワールドカップに臨む高校日本代表の第1次選考にも入っている捕手・村上宗隆のいる九州学院とは、昨夏の決勝でも対戦し、2対13と勝利していた。

 先発は、今春のセンバツで背負った「10」番からエースナンバーに変更された川端だ。甲子園経験も豊富な川端は、いつものようにポーカーフェイスでマウンドに上がったが、反面、ボールは荒れた。1回裏に2つの四球と単打で二死満塁のピンチを招き、6番打者に押し出しとなる死球を与えて、1点の先制を許す。

「気持ちが入りすぎていたのか、力みが出てしまいました。なんとか最少失点に抑えられたあとは、ブルペンでフォームの修正をしました。すぐに同点に追いついてくれたので、振り出し戻った気持ちで2回のマウンドに上がりました。今日はカットボールが良かった。それを中心に組み立てるようにしました」

 すると2回は三者連続三振を奪う。その後、試合は、川端と九州学院のエース・田尻裕昌の投げ合いとなる。両校に単打は生まれるも、後続が続かない。

 そして7回表に一死二塁のチャンスを作った秀岳館は、9番・川端に代打を送った。つまり、九州学院より先にエースに交代を命じたのである。

 山口コーチからしてみれば、勝負に出た交代だ。しかし、この代打策は失敗に終わる。

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