初回6失点のベンチで...。
大阪桐蔭を蘇らせた西谷監督の「言葉学」 (5ページ目)
あらためてセンバツでの戦いを振り返ると、節目、節目で西谷監督の言葉が光って見えた。選手たちを振り向かせ、その気にさせる。今回のセンバツ制覇は、西谷監督の"言葉学"の勝利だと言っても過言ではない。
最近は、大阪桐蔭の選手たちに話を聞くと、その内容や言葉使いが西谷監督と似てきていると実感することが多い。言い換えれば、自然と口に出るほど、西谷監督の考えや野球観が選手のなかに浸透している証拠なのだろう。
大阪桐蔭の強さを語る理由のひとつに、西谷監督の"言葉学"を忘れてはならない。
センバツ決勝直後、優勝監督インタビューのなかで西谷監督はこんな言葉を残した。
「今日は勝たせてもらいましたけど、夏はまた履正社に勝たないといけませんし、大阪にはたくさんいい学校があります。明日からまた夏の山に登りたいと思います」
キーワードは「夏の山」。問題はその登り方にある。果たして、選手たちにどんな言葉をかけ、再び大阪の頂点を目指すのか。西谷監督が発するひと言に、ユーモアと確かな戦術が詰まっている。
(後編に続く)
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