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元駒大苫小牧・香田監督が明かす「甲子園で勝つための戦い方」 (3ページ目)

  • 中村計●文 text by Nakamura Kei
  • 小内慎司●写真 photo by Kouchi Shinji

 いくら甲子園では怒らないと言っても、それが演技だと選手に伝わってしまったら効果はないのではないか。ある選手にそう尋ねると、こう答えた。

「怒ってるときの方が、演技なんですよ」

 己の不明を恥じた。そこまでは見抜けていなかった。

 楽しむこと。

 それこそが最強の心理状態なのだ。

 ただ、そういう状態にさせることは、口で言うほど簡単ではない。

 00年代半ば、北海道のチームである駒大苫小牧が台頭したことで、その後、高校球界の戦力分布図は大きく書き換えられるのではないかと期待した。しかし、実際は、ほとんど変わらなかった。

 相変わらず首都圏の強豪私学と、「野球留学」の盛んな地方の一部の私学が隆盛を誇っている。

 この状況に風穴を開けるチームが現れるとすれば、それはきっと、駒大苫小牧のようにどこよりも甲子園を楽しんだチームに違いない。

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