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大阪桐蔭、浦和学院......
なぜ「番狂わせ敗退」は起きたのか? (2ページ目)

  • 安部昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

「格上のチームが格下のチームより先に、理由のよくわからない動きをすると、試合の流れを破壊することにつながる」

 いくつかある野球の流れの"黄金則"の1つなのだという。つまり、格下のチームが格上の相手をかく乱するために、なかば強引とも思える作戦で激しく動くことはよいが、格上のチームが格下のチームを甘く見るように、一挙大量点をもくろんだような攻めを試みると、みずから試合の流れを壊してしまい、不利な展開に陥ることになる、のだという。

 高校野球の、特に夏の地方大会には、このような「番狂わせ」がつきものだ。毎年のように、大きな見出しで"サプライズ"が報道される。今年の夏も、ご多分にもれず、サブライズが続いた。

 岩手では花巻東が、京都では龍谷大平安が、福井では敦賀気比が、埼玉では浦和学院が、鹿児島では神村学園が、そして大阪では大阪桐蔭が早々に敗れ去った。

 今年の番狂わせは、ほとんどが1点差、2点差の僅少差だった。強いチームが、1点や2点、どうして取り返せないのか? 理由はいくつもあるものだ。

 思いつくままに挙げていくと、まず、強いチームが持てる力を発揮しきれずに終わる場合だ。

 単純な話、実力「10」のチームでも、半分程度の力しか出せなければ「5」か「6」。ならば、実力「6」のチームでも全力を発揮できれば勝てるチャンスはある......と、こういうことになる。

 では、それは具体的にどういうケースなのか?

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