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地方大会で見つけた100発コンビは、チームを初の甲子園に導くか (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文・写真 text by Abe Masahiko

 試合は、1点を先制され7回に追いつくも、古河三の須藤の緩急に手を焼き、重たい空気のまま延長へ突入した。そして10回、糸野が放ったライナー がライトに飛んだ。「フェン直(フェンス直撃)だな......」と思っていたら、打球は落ちてこず、そのままフェンスを越えた。インパクトだけに力を集中させ て、上からしっかりと叩き、打球にスピンをうまくかけられた証拠だ。

 こういう打球を打てる高校はいただろうか? すぐに思い出したのは、 昨年、関東一高で4番を打っていた伊藤雅人だ。オコエ瑠偉(現・楽天)ばかりに注目が集まっていたが、バッティング技術だけなら伊藤の方がはるかに上だっ た。右打者では高校ナンバーワンと言ってもいいぐらいの選手だった。今年の春から國學院大に進み、秋にはクリーンアップに挑もうとしている。

  糸野だが、5月に行なわれた東海大相模との練習試合で右中間にホームランを放ったという。右半身から投球に向かってステップしていくスイングスタイルは、 それ自体が高い実戦力を備えている。当たればいちばん打球が飛ぶ角度でボールを捉え、外に逃げていく球もしっかり見極められるからだ。

 細 川にしても、この試合では会心の一本は出なかったが、通算60発以上の実力はハンパない。なんとか初戦をものにしたチームは、2回戦、3回戦と突破し、 21日に行なわれた4回戦もつくば国際大東風をコールドで下し、ベスト8へと進んだ。初の甲子園まであと3つ。通算100発コンビがチームを夢舞台へと導 くのだろうか。

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