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焼肉屋の店員から球界に復帰。2000年の阪神ドラ1、藤田太陽の今 (5ページ目)

  • 和田哲也●文・写真 text&photo by Wada Tetsuya

――焼肉屋で働いていることで、心ない声が聞こえてきたりも……

「それはもうたくさん。野球辞めてから離れていった人も多いですし。逆に、横柄な態度だったお客さんが、僕が元プロ野球選手とわかった途端にパッて変わったりとか。『立場や名前で人の態度ってこんな変わるんだな、こうはなりたくないな』と思いましたね。

 でも、落ち込むことは一切ありませんでした。別にプロ野球を辞めたからといって人として落ちたとは思わないし、目標をしっかり持ってやっていたわけですから。そういう社会のことは、野球を辞めなければ気づかなかったでしょうね」

――野球界に復帰したきっかけは?

「あと一年修行してお店を出そうと候補の物件を決めかけていた頃に、ロキテクノさんから話がきたんです。そのとき、今の自分でも若い野球選手たちにプロを感じさせるくらいのパフォーマンスは見せられるんじゃないかと思い至って。2年間ほど投げなかったことで肘の状態もだいぶ戻ってきていましたし、体が動くうちにしかできないと。それで結局、お店を出すのはもうちょっと後にして、チームに加入することを決めました」

――クラブチームとプロの一番の違いは?

「クラブチームは基本的にボランティア。今のチームも全員がロキテクノの社員じゃなく、遠くで仕事をする人や学生もいるので、全体練習ができるのは月に2、3回くらいです。富山にいるメンバーも、土日を含めて週3回集まるのが限度。試合があるときでさえ、クリーンナップがいないってこともありますから」

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