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秀岳館のセンバツ快進撃を支えた「オール枚方」出身の選手たち (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 センバツ準々決勝の木更津総合戦で、9回二死から起死回生の同点タイムリーを放った廣部就平(ひろべ・しゅうへい/2年)は言う。

「中学でどのチームに入ろうか迷っていた頃、オール枚方の練習に行ってみて、他のチームにはない練習環境に驚きました。同時に打てるバッティングケージは自分たちの頃は9カ所でしたが、今は11カ所もあるんです」

 そして練習開始前には、異様な光景を目にした。コーチ陣や一部の保護者が選手ひとりひとりからA4サイズの紙を受け取り、そこに記入された内容をせっせと別の紙に書き写していたのだ。何をしているのかコーチに聞くと、「選手のその日の体温や食欲の有無など、体調に関するデータをまとめているんです」という。

 まとめるデータはそれだけではない。ランメニューのタイムや、ロングティーの飛距離なども選手個々の数値がグラフ化され、全員が見られる場所に掲示されていた。これはパナソニックという大企業で役員を務めた、鍛治舍監督ならではの手法だろう。

 秀岳館で2年生ながら3番打者を任される木本凌雅(きもと・りょうが)は、「全部数値が出るので、サボったらすぐにバレます。だからいつも全力でやらないといけません」と明かした。さらに前出の廣部も「力がつけば数値に表れるので、わかりやすい。やる気になります」と証言する。

 そしてオール枚方の選手の特徴として、「誰ひとり自主練習を欠かさない」ということも言えるだろう。活動日が土曜日・日曜日・祝日のみで、平日は休みという中学硬式チームは多く、オール枚方もそのチームのひとつ。だが、練習が休みの平日でも、選手たちは自分たちでスイングや基礎的なトレーニングを毎日こなすという。木本は言う。

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