センバツでプロ野球スカウトたちの評価を上げた11人の逸材

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

「誰が見てもナンバーワンという選手がいない。リストに挙がる選手の数はいるけど、抜けた存在がいない。大会の"顔"が確定しないから難しかった」

 あるスカウトがこうボヤいたように、昨年の県岐阜商・高橋純平(ソフトバンク)のような絶対的スター選手は不在。現段階では、高校生のドラフト1位候補は見当たらないという。そのなかで、大会ナンバーワンの評価を得たのが創志学園(岡山)の高田萌生(たかだ・ほうせい)と東邦(愛知)の藤嶋健人(ふじしま・けんと)の両右腕だ。

初戦の東海大甲府戦で149キロをマークした創志学園のエース・高田萌生初戦の東海大甲府戦で149キロをマークした創志学園のエース・高田萌生

 高田は2回戦で高松商(香川)に敗れたが、初戦の東海大甲府(山梨)で最速149キロをマーク。試合中盤からギアを上げ、尻上がりの投球を見せた。

「初戦は後半がよかったね。ギュッと曲がるあのスライダーは高校生ではなかなか打てない。打者に向かっていく姿勢や投げっぷりがいいし、強い印象を与えられる投手」(パ・リーグスカウトA氏)

「ウチのガンでは常時139キロから143キロ。速い球をコンスタントに投げられるし、フォームがぶれない体の強さもある。投手としてのツールは揃っているよね」(パ・リーグスカウトB氏)

 その一方で、こんな声もある。

「"松坂二世"というけど、松坂に失礼。178センチらしいけど、そうは見えない。スケールが物足りないね」(セ・リーグスカウトC氏)

 スカウトによって大きく評価が分かれるが、高評価をする球団なら上位指名候補だろう。

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