早実・清宮幸太郎の甲子園出場に立ちはだかる東京のライバルたち (5ページ目)
1年生の強打者といえば、今夏、名門・帝京の4番を任された岡﨑心(おかざき・じん/173センチ73キロ/右投左打)も外せない。決してスラッガータイプではないが、積極的な打撃スタイルと泥臭いプレーぶりはチームに活力をもたらす。
他にも、秋の大会を勝ち上がるにつれて自信をつけ、才能を花開かせる選手が現れるに違いない。
最後に、清宮自身の秋についても考えてみたい。まず、最初に頭に浮かぶのは、「期待」よりも「不安」だ。
清宮はこの夏、7月18日の夏の東京大会初戦から9月6日のU-18ベースボールワールドカップ決勝まで、ほとんど休む間もなく戦い続けた。そしてすぐさま、12日の秋季ブロック予選初戦(東農大一戦)を戦わなければならない。これは体力的に相当厳しいだろう。
ただ肉体的な疲れだけでなく、メンタル的に息抜きができないのは酷だ。清宮は入学してからここまで、常に注目を浴び続けてきた。さらにU-18日本代表では、「日本の4番」という重圧も背負った。本人は口癖のように「期待やプレッシャーを力に変えたい」と言うが、誰もが想像できないほどの疲労やストレスが溜まっているに違いない。
そして、チーム内での立場も、今までとは変わってくる。これまで清宮は、加藤雅樹ら3年生のフォローがあって、のびのびと実力を発揮することができていた。甲子園準決勝で敗戦後は、「生まれ変わってもう1回野球ができるなら、上級生とやりたい」とコメントしたほどだ。その後、ドラフト候補だらけのメンバーの中で日本代表として世界を戦い、高校生にとって、「これ以上ない」という最高レベルを体感した。
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