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【高校野球】美しき剛腕、県岐阜商・高橋純平を見逃すな! (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 だが、高橋にはそうした豪快さも荒々しさもない。だけど、飄々と150キロ近いボールを投げ、おまけにキャッチャーの構えたミットに吸い込まれるような制球力も持ち合わせている。彼ほどのオーバーハンドが140キロ以上のスピードを出しながら、このレベルのコントロールを見せつけた例は、この10年、記憶にない。

 これまで甲子園に出てきた“怪物”たちは、どこか無理をして投げていたと思う。自分が実感している「本当の自分」よりもずっと大きく報道されてしまい、なんとかその活字の大きさに応えようと、グラウンド以外のところでも気を張っていた。

 そのため、調整不十分な時期にスピードガンと勝負をし、悲鳴を上げてしまった肩や肘。そんな場面を何度も目の当たりにしてきた。高橋にはそうした懸念は必要ないと見ているが、まだ17歳の高校生。どうか周りに踊らされることなく、いつものように涼しい顔で投げてもらいたいと切に願う。

 高橋純平擁する県岐阜商は大会4日目(3月24日)の第2試合で松商学園(長野)と対戦する。

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