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【高校野球】『ビッグ3』の評価は?
プロスカウトが見た、この夏の逸材たち (2ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 一方、愛工大名電の濱田は今夏の不調で評価を下げたが、それでも「(2位指名までの)上位24人には入ってくる」(パ・リーグスカウト)という。センバツで球速が出なかったことで、「もっとよくなりたい」という思いからフォームを改造したのが裏目に出て、試行錯誤している状態のまま夏の大会に突入。愛知大会決勝では146キロをマークするなど、悪いなりの投球は見せたが、甲子園では本来の姿が出せないまま終わってしまった。

「いい時の濱田を知っているから、評価が下がることはない。大谷、藤浪と違って、彼の最大の良さはコントロール。赤川(克紀、ヤクルト)を経由して、晩年には山本昌(中日)のようになるんじゃないか」(パ・リーグスカウト)

 このふたりに続くもうひとりの上位候補が光星学院の遊撃手・北條史也。センバツ以降は不調に陥ったが、甲子園に合わせて調子を上げてきた。初戦の遊学館戦ではバックスクリーンに叩き込んで猛アピール。守備の意識も高く、スカウト陣の評価は光星学院OBの巨人・坂本勇人以上で一致している。

「バッティングはムダな動きがなくなり、確率が上がった。高校生からプロ仕様になった感じだね。守備も一歩目のスタートがいいし、坂本よりワンランク上。内野手がほしい球団なら1位指名もあるだろうね」(パ・リーグスカウト)

 この3人がバリバリの上位候補。これに続くのが、龍谷大平安の高橋大樹、光星学院・田村龍弘の打者ふたりだ。

 昨夏の甲子園でもレフトスタンド中段に特大本塁打を放った高橋は、今夏の初戦の旭川工戦で右方向への2本を含む4安打。甲子園通算10打数7安打と大舞台での強さを発揮している。練習試合では全球フルスイングするなど馬力がある上、足が速いのも魅力だ。

「足を大きく上げて打ちにいくけど、右足に重心が残っているから球をとらえるスイングができる。軸もしっかりしているし、広角に強い打球を打てるのは魅力だね。変化球に対応できていたし、勝負強い。長野(=正義、巨人)みたいになれるんじゃないか」(セ・リーグスカウト)

 ただ、1月に右肩と右ひじを手術しており、スカウト陣は守備力を懸念している。

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