2012.08.16

【高校野球】『ビッグ3』の評価は?
プロスカウトが見た、この夏の逸材たち

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

初戦の木更津総合戦では最速153キロをマークし、14個の三振を奪った大阪桐蔭のエース・藤浪晋太郎“ビッグ3”のひとり、花巻東の160キロ右腕・大谷翔平が甲子園に出場できず、愛工大名電の濱田達郎が不調のまま初戦敗退。期待通りの投球をしたのが大阪桐蔭の藤浪晋太郎だけという結果から、スカウトから「大谷不在ということもあって、こんなに対象選手が少ない大会はない。寂しいね」と嘆きの声が上がった第94回大会。それでもスカウトから高い評価を受けた選手はいる。

 筆頭はやはり大阪桐蔭の藤浪。センバツで優勝、夏も”ビッグ3”で唯一、初戦突破と甲子園でも期待通りの活躍を見せている。

「期待された通りに結果を出す」

スターになるためには、重要な要素だ。スカウト陣からは、当然のように「1位確定」の声が聞かれる。

「197センチとサイズがあって、150キロを出せる。それでいて鈍くさくないのがいい。下半身が使えないフォームは少し問題だけど、プロ仕様の身体になればメジャーだって狙える素材。22~25歳でちゃんとやれるようにしてあげられるかどうか。プロ側の責任は大きい」(パ・リーグスカウト)

「ウチは大谷より上の評価。大谷はまだ高めに浮く球があるなど、いい球と悪い球の差があるけど、藤浪は安定していい球が来るからね」(セ・リーグスカウト)

 殺到する報道陣にも、「目の前の一戦一戦に集中するだけ」、「スピードより球の質やキレを重視している」と冷静なコメントを繰り返し、「結果を出しても、自分を見失わないところがいい」(パ・リーグスカウト)とピッチング以外の部分でも高い評価を得ている。