【自転車】国内ロードレースがビジネスとして成功するためには? (2ページ目)
あらためてこうやって文字にしてみると、かなり強気にも見える言葉だが、それを発する実際の片山の口調は、なかば冗談めかすような調子もあり、あるいは自らを鼓舞しているようにも聞こえなくはない。
「そしてまた、こういうことをいつも言っていると、『元F1ドライバーだから、金なんてきっといくらでも持っているんだろう』とか、『スポンサーなんていくらでも金を出してくれるんだろう』と揶揄するようなことを言われる場合もあるんですよ」
でもね、と、ひと呼吸おいて続ける。
「これだけはハッキリ言っておくけど、少なくともそれは大きな間違いです」
そう語る言葉は笑い声混じりだが、口調には自分たちの真摯な姿勢を伝えようとするひたむきさもにじむ。
「たくさんのスポンサーが応援をしてくださっていることは、もちろん非常に感謝をしています。でも、現在のチーム活動や、あるいは特に今後の運営規模拡大を考えたときの足りない部分は、僕自身がこの身体で稼いでいるわけです。スポンサーの新規獲得だって、もちろん容易なことではない。そもそも、人から信用を得るのはとても大変なことで、たとえばあるスポンサーからは、『しっかりと応援をしますよ、結果が出ているうちはね』と言われたこともあります。
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