【自転車】TeamUKYOにおけるエース・土井雪広の存在価値 (2ページ目)
戦いながら育成や教育もしていかなければならないけれど、残念ながら選手も人間である以上、1年のなかでコンディションのいいときがあれば、悪いときもある。いつも強い、というわけではない。その意味では、キャプテンの土井(雪広)君はちょっと特例かもしれない。彼はいつも調子がいいから。調子がいいというよりも、プロフェッショナル、といったほうがいいのかな」
昨年までも土井は、司令塔として中心的な役割を果たしていたが、今シーズンからはキャプテンに就任し、名実ともにチームの柱となった。本場欧州での豊富なレース経験で培(つちか)われたプロ意識や、レースの組み立て、状況判断等々の多くの面で見習うべき目標と、若手選手たちが見なしている存在だ。
「僕が見ている限りでも、彼の選手としてのパフォーマンス、そしてチームリーダーとして背負ってくれている責任感には充分に満足しています。選手も30歳を超えるようになると、そのポジションによっては、人徳というものが非常に重視されるようになります。女子サッカー・なでしこジャパンの宮間あや選手は、その好例だと思います。チームが浮き足立ちかけたときでも、彼女のちょっとした行動で全員の気持ちが戻って引き締まりますよね。
その求心力や包容力は、自分自身の努力で作り出すものというよりも、むしろ全員のなかからにじむように沁みだしてくるような種類のものなんだろうと思うんです。そういう意味では、土井君にはその才能が非常にあると思う。だから、きっといつか、彼は本当に人の上に立ついいリーダーになると思うんですよ」
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