2014.11.17

【自転車】片山右京「僕が子ども向けスクールを主催する理由」

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro

遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第31回】

 F1、登山、そして自転車と、様々な挑戦を続けている中、そこで感じたスピリットを子どもたちに伝えたい――。そんな想いから片山右京は、トレッキングやラフティング、サマーキャンプなどのアウトドア体験を通じて学んでもらうプログラム「チャレンジスクール」をスタートさせた。その場所で、子どもたちにどんなことを学んでもらいたいのか、片山に詳しく聞いてみた。

(前回のコラムはこちら)

主催する「チャレンジスクール」で子どもと触れ合う片山右京 懸命に、ひたむきに、何かに向かって努力することは、けっして無駄にならない――。

 そう話す片山右京は、努力することの大切さを子どもたちに知ってもらいたい、そしてその努力した経験を自分たちの将来に活かしてほしい......という願いを込めて、『片山右京チャレンジスクール』という活動を2009年から行なっている。この「努力すること」の意義について、片山は自身の体験と重ね合わせながら、こんなふうに話す。

「やってきたことは、すべてに応用が効く。僕なんてF1で成功したわけじゃないし、登山で成功したわけでもないし、ましてや自転車で成功したわけでもない。言ってみれば、『ミスター中途半端』だけど、いつも頑張ってきたし、今も頑張ってやっている。だから、自分の会社を運営していける。レースをやるために苦しみながら学んだことや、山で泣きわめくようなショッキングなこともいくつもあったけれど、それが無駄じゃなかったから、現在があると思うんですよ」

 そう話す一方で、道は前だけではなく、右にも、左にも、あるいは後ろにもあるのではないか......ともいう。

「おそらくそれは、表現が違うだけ。後ろというのも撤退じゃなくて、(自動車競技の)ラリーのように新しい道を探していることに近いんだろう、と。『何が何でもネバーギブアップ』と、やたらともがくわけでもなく、かといって、『あっさりあきらめてしまう』というわけでもなく、『どうやって効率よくコントロールしていくか』ということなんだろうと思います。

 オリンピックに出られなくても、好きなことなら続けていればいいし、町のテニススクールの大会に出た姿を見た人が、勇気づけられることだってあるかもしれない。また、たとえ負け続けても、その姿を見てついてくる人がいるかもしれない。