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【新車のツボ155】VW up!GTI。
スポーツカーの機微を公道で味わえる (2ページ目)

  • 佐野弘宗●文・撮影
  • text&photo by Sano Hiromune

 VWのup!は第81回でも紹介したように、フィアット500(第97回参照)やルノー・トゥインゴ(第136回参照)とならぶ欧州では最小クラスのスモールカーである。日本的な感覚では軽自動車に準じる安価なゲタグルマであり、普通ならパワーで70~80ps、トルクだと90Nmもあるエンジンで十二分に元気よく走る。事実、up!の標準グレードはなんの変哲もない1.0リッター3気筒を積んでいる。

 up!のGTIは、そんな1.0リッターエンジンにターボを追加して、116ps、200Nmというひと昔前の1.8~2.0リッターエンジンに相当する性能をもたされている。軽自動車に毛が生えたようなボディに2.0リッター級のエンジン性能......となれば、当たり前だが、up! GTIはかなりの俊足グルマだ。

 事実、アクセルペダルに乗せた右足にわずかに力をこめるだけで、up! GTIは弾かれたように加速する。さらにアクセルを踏み続ければすぐに法定速度に達するが、短時間なら、日本の公道でアクセル全開走行を合法的に楽しめる。今どき、そんなことをできるのはこのクラスが上限......というのが現実だろう。

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