宮司愛海アナが竹下陽平アナに聞く。宮里藍選手インタビュー秘話 (2ページ目)
宮司 さて、私が大尊敬する竹下さんの印象的なお仕事といえば、宮里藍さんのインタビューです(笑)。
竹下 サントリーレディスのね......(苦笑)。
(編集部注:2017年6月、宮里藍選手が同シーズン限りでの現役引退を発表したあと、国内最後の出場大会となったサントリーレディスにおいて、4日間の戦いを終えてのインタビューで、竹下アナが質問の途中で感極まって涙し、宮里藍選手も「せっかく我慢してたのに」ともらい泣き)
宮司 思いが込み上げてきたんですよね。
竹下 当時、宮里藍選手は夢を抱いてアメリカに渡って、世界一になるなどすばらしい活躍を見せてくれましたが、その一方で、ドライバーショットに苦しんだりしていて。苦悩する姿も見てきましたからね。
そして、あのサントリーレディスの最終日18番では、宮里藍選手がティーショットをドライバーでフェアウェーのど真ん中に打ってきたんですよ。そのショットが、「日本のファンのみなさん、苦境を乗り越えた私のショット、どうですか?」みたいな感じに見えて......。もうその時から、ちょっと感極まっていました(笑)。オジさんになると、涙もろくなるんだよ。
宮司 それが、スポーツ取材のいいところですよね。選手の人生をずっと見て追えるって。
竹下 僕は、宮里藍さんが中学生のとき、初めてプロツアーの試合で予選を通過したときのインタビューもやっているんです。
宮司 本当に最初から見ているんですね。
竹下 プロで初めて予選を通過して、それが当時の史上最年少記録で。僕は中学生にインタビューをするということで、ものすごく目線を下げて子どもに話しかける感じで、「予選通過、おめでとう」って言ったら、「はい、ありがとうございます」って。対応の仕方は、今の宮里藍さんと変わらなかったんですよ。「ここのショットがこうだったんですけど、なんとか予選通過できてうれしいです」みたいな。
宮司 あれっ?って、意表をつかれてしまいますね(笑)。
竹下 「こんなに大勢のギャラリーのなかでプレーする気分はどうでしたか?」と聞いても、「沖縄でもこれくらいのギャラリーのなかでプレーしていましたから、それほど気にならなかったです」って。
当時中学生の宮里藍さんに、僕はギャフンと言わされて......。宮里藍さんとはそれ以来、ずっとその奮闘ぶりを追いかけさせてもらって、最後の引退会見でも代表質問をさせていただきました。
宮司 ゴルフは、スポーツ担当になった3年前から取材をしていますが、渋野日向子選手が昨年、AIG全英女子オープンで優勝してからは、渋野選手が出場する試合には、度々取材に行かせてもらっています。全英女子オープンを勝ったあと、帰国2戦目のNEC軽井沢72にも行きました。
竹下 昨年、渋野選手は優勝争い(3位タイ)したからね。
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