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世界水泳での飛躍なるか?
注目の「ゴールデンエイジ」の実力 (2ページ目)

 そして、昨年のロンドン五輪選考会では、今度は瀬戸選手が大会前にインフルエンザにかかってしまい、その影響でタイムが伸びず、五輪への切符獲得はならず──。一方、萩野選手は初の五輪出場を果たし、ロンドンでは見事銅メダルを獲得しました。

 萩野選手に一歩も二歩もリードされた瀬戸選手でしたが、萩野選手のメダル獲得について質問すると「(萩野選手の)活躍は嬉しいし、自分も刺激をもらった。早く追いつかなければいけない」と、前向きな返答。瀬戸選手も昨年12月の世界短水路で優勝を果たすなど、着実に力をつけてきています。「悔しい」というよりも、よきライバルの活躍を糧に自分も成長しようという向上心が伝わってきました。

 初めて取材をしたときから「ふたりで世界水泳に行きたい」といつも口にしていた萩野選手と瀬戸選手。今年7月の世界水泳バルセロナでついにその願いが叶います。先日、代表になったふたりにインタビューしたときには、「ダブル表彰台を目指します」と気合いが入っていました。

「海外遠征で飛行機に乗っている間、公介は学校の教科書を開いて勉強をしているのに、自分はバッグから出しても前の網の中に入れっぱなしで開かない(笑)」と話す瀬戸選手は、萩野選手のことを「真面目で、誰よりも練習をしている」と尊敬の眼差しで見ている様子。

 そんな萩野選手を取材していて驚いたのは「練習で乳酸が溜まって手足が重くなるのが嬉しい。頑張って練習していると実感できるから」と言っていたことです。「限界以上に突き詰めてやろうと思っている」という萩野選手の練習量は、世界でもトップクラスの多さなのではないかと思いました。

 一方で、萩野選手は「昨日『ミュージックステーション』見ましたよ! 出演していたカーリー・レイ・ジェプセンの曲で、みんなで踊るのにハマッているんです」という普通の大学生らしい一面もあって、自然体そのもの。
 
 5月のジャパンオープンでは、6種目にエントリーしていた萩野選手は調子があまり良くなかったのですが、それを見た瀬戸選手が「大丈夫か。頑張れよ」と萩野選手に声をかけるシーンも。そんなところにも、お互いの存在を認めあい、高めあっていく関係がよく表れていて、ふたりの競い合いがどうなっていくのか、さらに楽しみになりました。

 そのふたりと同世代の、200m平泳ぎ世界記録保持者の山口観弘選手も、注目の「ゴールデンエイジ」です。萩野選手、瀬戸選手、山口選手は、合宿中、お互いの部屋を行き来している仲良し3人組。ちなみに、山口選手は寂しがり屋で誰かの部屋をしょっちゅう訪ねているそうです。

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