【GⅠ競輪祭女子王座戦】佐藤水菜が波乱のレースを制し年間グランドスラム達成 落車した仲間を思い「めちゃ悔しい」と涙ぐむ (2ページ目)
決勝でも佐藤がどんな勝ちっぷりを見せるのかに注目が集まっていたが、その大本命にも不安があった。決勝3時間前の選手紹介インタビューではこんなことを吐露していた。
「自転車の進みが悪すぎて不安の残る2日間だった。(決勝でも)この自転車でいっていいのかと、そわそわして(昨夜は)眠れなかった」
佐藤はこの開催に向けて新車を投入したが、それがしっくりきていない様子で、珍しく弱気な発言をしていた。それでも佐藤は決勝までの3時間の間に、同期の親友・柳原真緒(福井・114期)に自転車のセッティングを依頼。「自信を持って悔いなく走れる状態まで自転車を作ってくれた」という。
選手紹介インタビューで不安を語った佐藤 photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る
迎えた決勝。佐藤は最初の並びで6番手の位置に入り、残り2周となったところでジワジワと順位を上げていく。それに対応するように4番手にいた梅川風子(東京・112期)もスピードアップ。残り1周のホームストレッチに入ったところで、佐藤が一気に踏み込むと、第1コーナー付近であっさり先頭に立った。佐藤の対抗馬と目されていた梅川は「佐藤選手が駆ける瞬間を見切れていなかったので反応が遅れた」とこの一瞬を悔やんだ。
そこから佐藤はさらに引き離しにかかるが、仲澤も加速して必死に食い下がろうとする。しかしここでアクシデントが起こる。第3コーナーに差し掛かったところで仲澤がバランスを崩して落車。そこに4選手が巻き込まれてしまった。
結果は佐藤が1着で、梅川が2着。ガッツポーズは出なかった。その代わりに心配そうに見つめながら流す姿が見られた。
佐藤(1番車・白)が先頭で第3コーナーに入る photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る
レース直後、心配そうに見つめる佐藤 photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る
2 / 3

