元騎手・武士沢友治が語る競馬学校の試験と訓練 騎手を目指す若者達には「どんどんチャレンジしてほしい」とエール (4ページ目)
未来の騎手たちに期待を寄せる武士沢氏
重要なのは諦めない気持ち
入学時期は毎年4月で、2026年4月入学の募集は6月9日(月)から願書受付が開始される。騎手として競馬から多くのものを学んできた武士沢氏は、その奥深さとすばらしさを身をもって体感しているからこそ、多くの若者に騎手になる夢を持ってほしいと願う。そのうえで大切なことを武士沢氏はこう語る。
「フィジカルや技術はもちろんですが、諦めない気持ちが重要です。負けて落ち込んだとしても、次のレースに持ち込むわけにはいかないですし、気持ちも切り替えないといけない。ジョッキーは負けて当たり前なんです。16頭いるうちの1頭しか勝てないんですから。でも負けたときに反省はしても、後悔はしてほしくない。苦しくても一生懸命、真面目にやっていれば、必ず見ている人はいるし、声を掛けてくれる人もいる。だから決して諦めない強い気持ちをもってほしいですね」
武士沢氏は現役時代、レース前には必ず厩舎に顔を出して挨拶をし、レース後にも挨拶をしていた。不安もあり、やりたいことを我慢することも多かったというが、「自分はいいジョッキー人生だった」と笑顔で振り返る。そこには騎手を経験した者にしかわからない、競馬の真の魅力があるのかもしれない。
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