ガールズケイリン期待のルーキー・仲澤春香が圧巻V 予想どおりの展開に同期たちは「悔しい」「すごいと言ったらダメ」 (3ページ目)
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逸材ぞろいの126期
今回の結果を受けて改めて仲澤の強さがはっきりと浮かび上がったが、2着以下に続いた126期のメンバーも確かなポテンシャルを秘めた顔ぶれだ。
2着に入った大浦は、航空関連企業からの転職でガールズケイリンの道を志したという異色のルーツを持つ。就職を機に京都から自転車で約4日かけて上京してきたというエピソードもあるなど、チャレンジ精神も旺盛だ。124期の入所試験で一度は不合格となったものの、アルバイトをしながら努力し126期として合格。この強い気持ちは、序盤から先頭で展開を作りながら再び力強い脚力で仲澤に迫った今回のレースでも示してみせた。
最終コーナーで内側を突いて3着となった中島は、「仲澤さん主導のレースを崩しに行きたかったのですが、力がなくて行けませんでした」と試合後には反省の弁が口をついた。それでもインターハイのケイリン競技で優勝経験を持ち、養成所では仲澤に次ぐ2位の成績を残すなど実力は申し分ない。今年のルーキーシリーズでは、1開催目で3着、2開催目で2着の成績を残し、本デビュー後は何度も決勝を走るなど、安定した走りぶりを見せている。
レース後には互いの健闘を讃えあう姿に同期の絆も見られたが、会見では大浦が「あまり(仲澤を)すごいすごいと言っていたらダメ。勝ちにいけるようになりたい」と話すと、中島も「仲澤が勝つだろうという予想どおりの展開になってしまったことが悔しい」と、強いライバル意識とプライドも覗かせた。
今回トップ3に入ったのは、いずれも養成所時代の記録会で最も高い基準タイムを全種目でクリアする「ゴールデンキャップ」を獲得した選手たち。ガールズでは歴代最多の獲得者を出したこの126期が、グレードレースを盛り上げていく時代もそう遠くないはずだ。
【Profile】
仲澤春香(なかざわ・はるか)
2001年4月10日生まれ、福井県出身。小学生時代に野球をやり、中学ではバスケットボールに励む。高校からボート競技を始め、世界ジュニア選手権に2年連続出場、ダブルスカルで8位と好成績を収め、全国高校選抜大会2年連続優勝の結果を残す。実業団でもボート競技を続けるが、心身の不調により1年半で競技から離れ、自転車競技に転向。日本競輪選手養成所に入ると、第1回、第3回の記録会でゴールデンキャップを獲得。卒業記念レースで史上8人目となる完全優勝を達成した。
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