Dリーグのタイトルスポンサー「第一生命」 広告宣伝だけではない、その先にある真の目的とは (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by D.LEAGUE 22-23

 また2012年から中学校でダンスの必修化が完全実施されたこと、2020年にパリ五輪でダンスジャンルのひとつブレイキンの採用が正式決定されたことも、第一生命がタイトルスポンサーに踏みきった理由のひとつだという。

「たくさんの学生たちがダンススタジオに通っていますので、ダンスはこれからどんどん注目度が上がっていくと感じています。我々も将来性のあるスポーツと、ともに成長していきたいと思っています」(伊原氏)

若者中心に熱狂的なファンが来場するDリーグ ©D.LEAGUE 22-23若者中心に熱狂的なファンが来場するDリーグ ©D.LEAGUE 22-23この記事に関連する写真を見る 既存スポーツの課題のひとつがファンの高年齢化。たとえばJリーグファンの2019年の平均年齢が36.7歳(一緒に来場した子どもの年齢を踏まえた場合)で、前年度よりも0.3歳上昇している。Dリーグについては、正式に公表されていないが、会場のファンは10~20代が中心で、男女比は4対6という印象。既存スポーツのファン層と明らかな違いを実感できる。

「生命保険会社は金融機関であって、世の中のみなさんは当社にお堅いイメージを持っておられるのではないかなと思っています。そのようななかで、若い人たちに親しみを持ってもらえたらいいなと思い、Dリーグに注目したのも協賛したきっかけのひとつです」(佐藤氏)

 第一生命は若者に親しんでもらうために、函館支社や岡山支社でDリーガーが出演するイベントを実施してきた。函館ではフルキャストレイザーズのディレクターであるTWIGGZ "JUN"さんをはじめとしたメンバーを、函館市主催の健康増進イベントに招待して大会を盛り上げ、岡山ではカドカワ ドリームズのKISA選手による小中学生を対象にしたダンスワークショップを開催。「(KISA選手への)質問の数が多すぎて予定していた新幹線に乗り遅れてしまった」(伊原氏)というほど大盛況だったという。今後も第一生命はこのような活動を広げていきたいと考えている。

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