錦織圭、全仏オープンで完全復活なるか。
「まずは1勝」で道を拓く (2ページ目)
日本勢で注目を集めるのは、昨年9月の全米オープン以来、初のグランドスラム出場となる錦織圭だ。
ひじの手術でツアーを離脱したままロックダウンに突入し、出場を予定していた全米オープンも、直前に感染したコロナによる隔離措置で練習不足となり欠場。結果的に、1年ぶりに復帰したツアーは赤土からの再始動となった。
その復帰戦となるジェネラリ・オープン(オーストリア)では、初戦で逆転負けを喫する。プレーそのものは、悪くない。ただ、勝負どころでのミスや終盤の息切れが見られるなど、本人の言葉を借りれば「1年ぶりにふさわしい」という、実戦経験不足が顕著となった一戦だった。
また続くイタリア国際でも、2回戦で注目の若手ロレンツォ・ムセッティ(イタリア)にストレート負け。完全復活にはまだ遠い印象だ。
そのなかで迎えるグランドスラムは厳しい戦いが予想される。だが、「できるだけ試合に勝って、数をこなしたい」という目標に専心することで、道が開けるかもしれない。
日本二番手の西岡良仁も、全米からまっすぐ欧州に向かい、複数の大会をこなしてから全仏へと向かう。
赤土にはまだ若干の苦手意識があるという西岡だが、全仏では過去、上位勢相手に数々の名勝負を繰り広げ喝采を浴びてきた。これまで、記録より記憶に残る死闘を演じてきた不屈の闘志が、そろそろ金星という結果で報われていい頃合いだ。
その他の日本勢は、昨年シーズン中盤以降の躍進によりトップ100に返り咲いた杉田祐一、先の全米オープン初戦でパブロ・カレーニョ・ブスタ(スペイン)相手にフルセットの大健闘を見せた内山靖崇らが、シングルス本戦出場を予定している。2年前までスペインを拠点としていた内山は、その成果を発揮してグランドスラム初勝利を手にしたいところだ。
一方、女子のほうでも、全米オープンを欠場してヨーロッパにとどまり、クレーで調整を続けてきたトップ選手は多い。
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