「卓球で一番面白い試合するのは誰か」。
双眼鏡でわかるサーブの真髄

  • text by Sportiva
  • 木鋪虎雄●写真 photo by Kishiku Torao

ニコン双眼鏡で見るプロの視点(第5回) ライター 佐藤主祥氏
佐藤主祥氏 プロフィール
さとう・かずよし 1991年、宮城県生まれ。学生時代は卓球部に所属。卓球を中心に、eスポーツ、野球など幅広いジャンルで取材・執筆活動を続けている

 先日Tリーグがレギュラーシーズンを終え、3月14日(土)のプレーオフ ファイナルに向け注目が集まっている。男子は木下マイスター東京vs琉球アスティーダ、女子は昨年と同カード、日本生命レッドエルフvs木下アビエル神奈川の対戦となった。どちらも日本を代表する選手たちが所属するだけに、今後さらにメディア露出が増えていくことだろう。

 そんな彼らの活躍を活字として表現しているのが、卓球ライターの佐藤主祥氏だ。選手たちの駆け引きやテクニック、そして卓球の繊細かつダイナミックなプレーを表現するためには、選手の一挙手一投足を逃さない集中力が必要。それには双眼鏡が大きな味方になってくれているようだ。卓球の魅力とともに、どんなときに双眼鏡を使うのか、佐藤主祥氏に話を聞いた。

――Tリーグのレギュラーシーズンが終わりましたが、ここまで印象に残った選手と、ファイナルで期待したい選手は誰ですか。

「個人的に印象に残ったのは、T.T彩たまの神巧也です。彼はもともと実業団の名門・シチズン時計で活躍していた選手ですが、2019年からプロに転向し、現在はキャプテンとしてチームを引っ張っています。

 レギュラーシーズンでは、シングルスで13勝7敗という成績で最多勝に輝いていますし、試合ではとにかく吠えまくって会場を盛り上げているのが印象的でした。人気・実力ともに急成長を遂げた選手ではないでしょうか。

 ファイナルで期待したい選手は、やはり木下マイスター東京の水谷隼です。シングルスとしては、6勝6敗と思うような成績は残せませんでしたが、自身最後の試合となる2月15日の彩たま戦、好調だった松平健太との試合では、水谷の調子の良さがうかがえました。展開としては先に1-2と王手をかけられましたが、その後は要所で水谷のカウンターが冴えていました。得意の後陣でのラリーで得点するパターンに持ち込み、結局3-2で逆転勝ちを収めました。

 この試合は勝てばファイナル進出が決まる、という一戦でもあったので、こういう大事な場面をものにする勝負強さはさすがですし、3月の両国国技館でもチームを連覇に導く活躍をしてくれると期待しています」

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