地元ラジオ解説者たちが太鼓判。今季もプロ野球は地方球団が強い! (2ページ目)

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  • 小池義弘●文 text by Koike Yoshihiro

    

 イーグルスのストロングポイントは、なんといっても投手力だ。昨季15勝のエース・則本昂大を筆頭に、岸孝之、美馬学の「先発3本柱」。不動の中継ぎ福山博之に絶対的守護神の松井裕樹と、タレントが豊富に揃っている。

 投手出身のOBで地元TBCラジオの解説者である山村宏樹氏は、「投手陣が踏ん張れば、昨年以上の結果は出せる」と太鼓判を押す。

抜群の身体能力を持ち、プロ3年目の飛躍が期待されるオコエ瑠偉抜群の身体能力を持ち、プロ3年目の飛躍が期待されるオコエ瑠偉

「ほかのチームと比べても、投手力はかなりいいと見ています。先発3本柱以外にも、左の辛島航、昨年、高卒ルーキーながら3勝を挙げた藤平尚真と駒を揃っている。藤平に関しては、今年はかなりマークされるでしょうから試練を味わうかもしれませんが、それでも投手が豊富に揃っているのが強みです。その投手陣で、僕が期待するのは岸です。昨年は防御率2.76ながら8勝に終わったのは、終盤に打ち込まれるなど勝ち切れなかったから。本人もそこは自覚していますし、経験もありますから、今年は修正してくるでしょう。彼がキャリアハイの15勝できるようであれば優勝できると思いますし、それが必須条件だとも言えるでしょうね」

 投手力に自信を持つ今年の楽天は、「1点でも多く取る野球」を掲げ、特に走塁面をチームに浸透させるべく、キャンプから選手を鍛え上げてきた。山村氏は、そのチーム戦略には賛同しつつ、チームをよく知る地元解説者ならではの懸念材料も挙げる。

「レギュラーで質の高い走塁ができる選手がいないのが気になります。走塁技術のある島井寛仁や田中和基、オコエ瑠偉は控えですからね......。彼らには足があるわけですから、内野安打も多く稼げますし、内野ゴロで相手にプレッシャーも与えられる。四死球で出塁し、盗塁できれば二塁打と同じ価値を生んでくれます。外国人のポジションとの兼ね合いもあるでしょうが、走塁を意識した野球をするのであれば、3人の誰かを常時スタメンで起用する布陣を敷いたほうが、より得点能力が上がるのではないか、と僕は考えています」

 未完成なのかもしれないが、チームが標榜する走塁が形となれば他球団にとって脅威になるのは言うまでもない。今年も楽天は「台風の目」となるだろう。

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