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スポーツを言葉で伝えるイベントで、
平野早矢香が卓球の駆け引きを語る (3ページ目)

  • photo by Akutsu Tomohiro

■日本人に適したトレーニングを編み出すために

2015年にブラインドサッカー日本代表のフィジカルコーチに就任した中野崇氏2015年にブラインドサッカー日本代表のフィジカルコーチに就任した中野崇氏 スポーツトレーナーの中野崇氏は、プロ野球選手をはじめ、プロサッカー選手、五輪メダリストなど20種目以上のトップアスリートのトレーニングを指導。2015年には、日本ブラインドサッカー史上初となる代表チームのフィジカルコーチにも就任した。"日本人に適したトレーニング"を手がける一方で、その競技が生まれた背景を理解することの重要性を提唱する。

「文化・ライフスタイルによって、得意な動きは変わります」と語る中野氏が一例として挙げたのがヨーロッパのトイレ。中野氏もよく出張の機会があるというイタリアのトイレの写真が映し出された。便器の横にあるお尻などを洗うビデ。

「(便器で用を足した後、ビデには)便座から横移動しないといけない。でもこれは現地であれば当たり前の動きと言えます。実は、そのときの体勢がスポーツでいうとパワーポジションにすごく近いのです。これが当たり前になっているところと、日常でこういう動きがほとんどない日本では、やはり違いが生まれます」

 もうひとつの例として挙げたのが、「重」という言葉。

「一般的に欧米は狩猟民族、日本人は農耕民族と言われていて、狩猟民族=高重心系の得意分野は高速移動です。農耕民族=低重心系はどっしり安定型。どういう体が好まれるか、重いという言葉を使った単語を思い浮かべてみてください。漢字の"重"は比較的ポジティブ、英語の"heavy"はネガティブな言葉に使われることが多いですよね」

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